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幻想廃墟の裏庭空間

「そこに真っ白な空白があると、何かを書きたくならない?」

吸血鬼に関して

ねえ、貴女は吸血鬼なんだよね。
そうですけれど。
吸血鬼ってどういうものなの?
うーん。
人間ではないけれど元人間か、人間の原型を持つもので。
人間に惹かれているけれど、恨んでもいる。
面白がりつつ、怖がっている。
食べ物でありながら、天敵でもあり。
親友や恋人でもありながら、殺意を抱く。
複雑なんだね。
そうね。
貴女は人間のこと、どう想っているの?
それは犬や猫が好き?と言うぐらいに曖昧な問だけど。こうして近くで住んでいるぐらいには好きですよ。
好きなの?
うん。
血を吸われるってどんな感じなのかな。
吸われてみる?
いえ。
例えば不老不死を得られるとも言われているけれど。
今時そんな言葉では人間はついてこないかな。
そうね。
もっとこう、刹那的なもの。
小さな夜に囁いてみたり。
月がきれいな夜に微笑んでみたり。
話している時に、一歩だけ近づいて。
手を握ってみたり。
肩を寄せて囁いたり。
辛く苦しんでいる時に、相談に乗って。
美味しいワインをご馳走し。
楽しんでいる一時を分かちあい。
こういう風に、肩を撫でて。
頬に触れるぐらい近づけて。
髪の毛を指で流し。
ボタンをふたつ外して。
指と指の付け根を絡み合わせて。
押し倒して。
口づけをしてから、そのまま血を吸うの。
心や記憶、血の中に流れているものを味わって。
飲み込んで。
私の血も飲ませて、永遠を渡ると誓い合うのが。
な、生々しいね。
ロマン派と呼ばれる吸血鬼。
ロマン派?
悲劇派の吸血鬼は、好きな子と殺し合ったりするのが好き。
え、えぇ?
昔あった子の、熱い殺意を冷めた瞳で眺めて。
自分の感情は隠したまま、必死にあらゆる障害を突き破ってくる子の。
ふむふむ。
左手を吹き飛ばし。
えぇ。
なおも走り続け、前だけを見据えている魂をみつめて。
剣を素手で受け止めて、肩を爪で貫いて、ナイフで首筋をきられて口の端から血を垂らし。
少し微笑んでから、その子の心臓を一刺しする。
流れてゆく赤い血と暖かさ。冷たくなっていく体に、でも渾身の力を振り絞り。
その子は雄叫びとともに吸血鬼の胸に杭を突き刺すの。
そして、倒れた体に、祈るように膝をついて。
息を切らし。涙と血と命を零すその子の輝きを眺め。
震える指先で、頬を撫でて。
声にならないような細い言葉と、淡い月のような微笑みと共にただの灰になってゆく。
救われないね。
二人とも人間だったときは幼なじみだったんだけどね。
えぇ。
最後に灰の中に残ったのが約束の指輪だったりするとなお素敵
もういいって。
後は
まだあるの?
10個ぐらいはいえるけれど。
多いね。
本当ね。
だからキャラがぶれて仕方ないのよ。
まあ、それは解る気がします。
障害者枠も多いね。
障害者枠?
血しか飲めなくて、ほかはアレルギー反応を起こす。
肌が弱くて病気がち。
あ、なるほど。
儚げで消えていきそうだけど、独自の世界観をもって、現実を壊して行く。
例えば、白い病院の奥で、片膝を抱えて言うの。
わたし、吸血鬼にあこがれているんだ。
なぜなら、皆同じ身体、皆同じ病気になれるから。
数千万の内の1人だからといって治療費で親が自殺もしなければ。
牢獄のような病院の奥で、ただ死なないように放置されることもなく。
生きることこそ正しいなんて風に囚われず。
等しく何も為さないままに死んで行き、最後にはなにも残らない。
ねえ。
生きることより、ずっと綺麗だと思わない?
自殺幇助はやめなさい。
は、はい。
明るい吸血鬼はいないの?
マッチョメンでハンサムでアミェリケェンな笑顔を絶やさない吸血鬼なら複数人知っているわ。
そんなの、ただのボディビルダーじゃない。
全くね。
変わり種だと、飛空大陸のお姫様も居るわね。
吸血鬼なのに?
月の女神の子孫なんですって。暗い話は控えめに、兎に角明るく元気、やんちゃにおしとやかに大冒険。
Zwei2?
そう。
かわいいよね。
かわいい。
不定形の吸血鬼とか。
ヴぁんぷね。
蜘蛛を操ったり。
ダレンシャンね。
恋にあれよあれよと振り回されて。
トワイライト?
闇の組織と戦いを繰り返し。
ブレイド
死を求めて彷徨いながら人間の輝きを求めたり。
ヘルシング
初めて人に殺された衝撃が忘れられなくて、告白をしたり。
月姫
時を操る従者と小さな安寧に少し飽きて、わがままを言ってみたり。
東方。
インタビューの中でその人生と生活、罪と享楽と背徳を語ったり。
インタビューウィズヴァンパイア。
吸血鬼が当たり前の世界で、不思議で蠱惑的な倫理観の恋をしたり。
ヴァンパイアサマータイム
美味しい血を持つ女の子が伝承を探りながら色んな吸血鬼に愛されたり。
アカイイト
近未来の世界で手に人面疽をもつ吸血鬼が膨大な過去を切り捨てるために旅をしたり。
吸血鬼ハンターD
SFを下地に法王の国と吸血鬼の国の間で殺し合うふたつの種族の可能性を探ったり。
トリニティブラッド
表題だけどあまり吸血鬼関係なかったり。
ヴァンパイアセイバー。
村を丸ごと住処にしたり。
彼岸島
屍鬼の方。
彼岸島は?
あ、あまり好きじゃない。
吸血鬼ゴケミドロは?
じ、実は見たことがなくて。
B級映画、嫌い?
実は。
吸血鬼の風上にも置けないわ。
えぇ。
ブラムストーカーは?
カーミラはよめたけれど、ブラムストーカーは、なんというかクリーチャーともいえず、人間よりのよう、例えば青髭みたいな感じがして。
そう?
悪魔城ドラキュラ
64主人公のキャリーさんが一番可愛くて素敵。
吸血鬼視点だとそうでしょうね。
リアラーネット。
私兵器だもん。
浮遊する変態。
ドゥエ。
混沌に飲まれるからこの話題はやめましょう?
ブラッドプラス。
押井守の小説は読んだけれど、なんというか吸血鬼はただの舞台装置じゃない?
吸血鬼美夕。
み、みたことないです。
けちな、はいきょうしゃめ、でていけ!
急にウィザードリィにならないでよ、驚くじゃない。
まあ、多いね。
これでも10分の1にも満たないのでは?
多すぎです。
あなたはどんな吸血鬼でいたいの?
そうねえ。これと言って。
でも、吸血鬼と言えば、と言うものはあるのでしょう。
うん。
倫理感が何処かこわれていて。
強く何かに憧れている。
世界や人間のどうしようも含めて楽しんで。
好きな人を誘惑しながら、血を吸う事をどこか躊躇っている。
割り切れない自分との葛藤を抱えて。
小さな子供のように、ずっと、誰かを求めて彷徨ってる。
設定的には完全で、心としては不完全で不安定。
心の底では寂しがり屋で、いつもなにかを祈っている。
複雑ね。
複雑な割にデフォルトでしかないから少し色を加えて。
その上、光や雨のことを考えて生活を考える。
ハードル、高くない?
とてもたかい。
もう少し限定してみては?
ちょっと考えているけれど、それはそれで寂しいのよ。
お姫様ポジションは別にいるし、ね。