幻想廃墟の裏庭空間

「そこに真っ白な空白があると、何かを書きたくならない?」

チャイムが一つ。
お邪魔します、と後輩さん。
曲線が目に写るような綺麗な礼をして髪が揺らぐ。
お邪魔されます。とフランクな礼を返し、部屋の奥に案内する。
ゲームとおやつが山積していた部屋は磨かれて、光沢を返している。
我ながら一日でよくやった、と思う。

ゴミを指定された袋に詰め。
(なんでゴミの分別はこんなに監視された気分になるのだろう)

床に掃除機をかけて。
(掃除機の先端部分は何故細いままなのだろうね。絡まったりする度に作業が止まるのが困り者。Ctrl+a→Delしたい。でもそれでは私も消失してしまうのだろうか?消失した私にUndoは効くのだろうか?よしんば効いたとして、その私は連続した私なのだろうか)

バケツに水を入れて。
(何故バケツは青色なのだろう。赤色に塗ってみようか。でも中身が全部揮発性のある液体にったら困るな。そうなるとガバメントで撃って敵兵士ごと掃除するか。でもそれだと点数は増えるけどなにも減らない。そもそも対戦型FPSの兵士って何処から沸いてくるのだろう、畑から採れてるのかな?でもイギリスの畑からはどんな兵士が採れるのだろう?パンジャンドラムが畑に生えていたら嫌だな)


水に漬けた雑巾を絞って
(絞ると言う行為ほど破壊的な行動はないと思う。
これが生物だったら大変なことになるだろう。中身から骨が突き出して、臓器からはいろんな色の濁った液体が皮と毛を通して染み出てくるのだろう。まあ、雑巾も似たようなものか)

床を拭いて。
(それにしても、綺麗にしたいと言う欲求が私の中に生きていたのか。
いや、何度か死んでるのだからゾンビか、灰か狩人といったところか。毎回悪夢の中に帰る点では狩人さんの方が適切かもしれない。私の中の綺麗という感情は、アメンドースサンに握られるぐらい理不尽に死ぬのだろうな)


汚れた雑巾を水に漬けると、黒い色が拡散していく
(豚にバックスタブしてリボンを取り出した私の狩人さんもこんな気持ちだったのか、と彼女の事が少し解る気がした。そうだよね、エミーリアさんには何度もかまれたくなる。脳液だって甘くておいしいし、不思議なオブジェがあると交信したくなる。ああ、そうだ、宇宙は空にあるんだ)


バケツの中の水を全て捨てて
(水は全てを浄化すると言うけれど、水にとってはたまらない話だ。私だったらとっくに助走をつけて殴りつけている。殺意を抱いても仕方ない。ああ、水に意志がある世界にすんでいる人は大変だな。でもこれはちょっと言い訳出来ないから、人間はその世界において、素直に絶滅しておこう)


全部片付けて。(つかれたー)


100円の桃サワーのふたを開けて飲む。(おいしー!)


といった風に数十回もの脱線事故を起こした結果がこの部屋なのだ。


先輩の部屋がこんなにきれいだと想いませんでした。
うんうん、流石後輩さん解ってる。でも裏側にとげがついてる気がするぞ。
私だってきれいなものや、可愛いものが好きですし。
かわいい?
かわいい。
先輩が思う可愛いものの具体例を上げなさい(10文字、10点)
ガッツの狂戦士モード
10文字できっちりノータイムでそろえる割に、あんまりかわいくないのが流石先輩です。
何それ、可愛いじゃない。わんわん。
わんわんは可愛いですが、あれは犬に含めていいのかな。
いいと思うよ。
そうかあ、なんか、先輩は揺るがないですね。
えへへー