幻想廃墟の裏庭空間

「そこに真っ白な空白があると、何かを書きたくならない?」

朽ちかけた廃墟に私は住んでいる。
ここは何もない。
好きな人も、趣味や誰かに伝えるための言葉も、得る物もない。
朽ち果てて捨てられた願いしかない。
音楽も絵も、興味を引くものも、好きだけれど、どこにもたどり着かない。
何処かにたどり着きたいのか。
青い空の向こう側へ、行きたかった気もする。
感動した、と誰かが言ってくれれば、と願った気もする。
自分の感情に空回りしながら
それに価値があると思いたくて。
迷って願って、それでもどこにもたどり着かない。
それでも風車はくるくる回る。
意味が無くても、そこに風さえ吹けば回っていく。